2021.10.23 | コラム
「遺言(遺言書)の種類② 法務局の遺言書保管制度とは」「遺言(遺言書)の種類③ 公正証書遺言とは」のコラムでは、法務局の遺言書保管制度と公正証書遺言それぞれの内容をお伝えしました。いずれも有用性の高い遺言ですので、両制度の特徴の比較をしてみましょう。
1.手間の比較
公正証書遺言の場合、何度かの公証人との打ち合わせや、証人を2名以上用意しなければならない等、それなりの手間がかかります。
対する法務局の遺言書保管制度の場合は、証人は不要で、必要な書類を揃えて申込みをし、自筆証書遺言を持ち込むだけで済みます。
一見、公正証書遺言の方が相当な手間を要するようにも思えますが、法務局の遺言書保管制度の場合、前提として全文の自書をはじめとした民法968条の要件を満たす自筆証書遺言を完成させなければなりません(詳細についてはコラム「遺言(遺言書)の種類① 自筆証書遺言とは」参照)。さらに、法務局の遺言書保管制度独自の作成方式も存在しますので、これらすべての要件を満たす遺言書を完成させることは簡単ではないでしょう。
要件に不備があり、修正の繰り返しがある可能性を考慮すれば、どちらも手間がかかると言えます。
2.費用の比較
法務局の遺言書保管制度は手数料として3,900円の費用がかかります。
対する公正証書遺言は記載する財産の価額にもよりますが、だいたい数万円ほどの作成費用がかかります。
よって費用の比較ですと、法務局の遺言書保管制度の方が安価と言えます。
なお、いずれの遺言も最初に必要な費用を支払えば、その後の保管料は発生しません。
3.遺言書の有効性
大きな差が生じるのは、この点です。
法務局の遺言書保管制度は、民法968条の自筆証書遺言の外形的要件を満たすかのチェックが受けられますが、内容面の判断・相談は一切受けることができません。遺言書を無事に保管してもらえたからといって、遺言内容に問題があれば無効を免れないことになります。
対する公正証書遺言は、遺言内容について公証人と打ち合わせをした上、作成日に遺言者が遺言内容を口述し、実際に遺言書を作成するのは公証人となります。遺言書が無効になる可能性は極めて低いと言えるでしょう。
4.相続人への通知
法務局の遺言書保管制度には、遺言者が死亡した場合に、法務局が相続人等に対して、遺言書が保管されていることを通知する制度が存在します。
対する公正証書遺言は、現在のところこのような通知制度はありません。
両制度それぞれが優れた遺言であることはご理解頂けたかと思います。
いずれの制度も利用するには煩雑な手続と慎重な判断が求められますので、一度専門家にご相談されることをお勧めします。
1.手間の比較
公正証書遺言の場合、何度かの公証人との打ち合わせや、証人を2名以上用意しなければならない等、それなりの手間がかかります。
対する法務局の遺言書保管制度の場合は、証人は不要で、必要な書類を揃えて申込みをし、自筆証書遺言を持ち込むだけで済みます。
一見、公正証書遺言の方が相当な手間を要するようにも思えますが、法務局の遺言書保管制度の場合、前提として全文の自書をはじめとした民法968条の要件を満たす自筆証書遺言を完成させなければなりません(詳細についてはコラム「遺言(遺言書)の種類① 自筆証書遺言とは」参照)。さらに、法務局の遺言書保管制度独自の作成方式も存在しますので、これらすべての要件を満たす遺言書を完成させることは簡単ではないでしょう。
要件に不備があり、修正の繰り返しがある可能性を考慮すれば、どちらも手間がかかると言えます。
2.費用の比較
法務局の遺言書保管制度は手数料として3,900円の費用がかかります。
対する公正証書遺言は記載する財産の価額にもよりますが、だいたい数万円ほどの作成費用がかかります。
よって費用の比較ですと、法務局の遺言書保管制度の方が安価と言えます。
なお、いずれの遺言も最初に必要な費用を支払えば、その後の保管料は発生しません。
3.遺言書の有効性
大きな差が生じるのは、この点です。
法務局の遺言書保管制度は、民法968条の自筆証書遺言の外形的要件を満たすかのチェックが受けられますが、内容面の判断・相談は一切受けることができません。遺言書を無事に保管してもらえたからといって、遺言内容に問題があれば無効を免れないことになります。
対する公正証書遺言は、遺言内容について公証人と打ち合わせをした上、作成日に遺言者が遺言内容を口述し、実際に遺言書を作成するのは公証人となります。遺言書が無効になる可能性は極めて低いと言えるでしょう。
4.相続人への通知
法務局の遺言書保管制度には、遺言者が死亡した場合に、法務局が相続人等に対して、遺言書が保管されていることを通知する制度が存在します。
対する公正証書遺言は、現在のところこのような通知制度はありません。
両制度それぞれが優れた遺言であることはご理解頂けたかと思います。
いずれの制度も利用するには煩雑な手続と慎重な判断が求められますので、一度専門家にご相談されることをお勧めします。