推定相続人の廃除とは(5)

2021.12.10 | コラム

 推定相続人の廃除について考えられるその他の疑問点を見ていきましょう。


1.廃除の取消しはできるか

 例えば、それまでひどい非行に走っていた子供が、ある日から心を入れ替え真面目に生きるようになったなど状況が変わり、推定相続人の廃除を行った被相続人が宥恕(赦すこと)したいと希望した場合が考えられます。

 このような場合には、コラム「推定相続人の廃除とは(1)」でもご説明した通り、推定相続人の廃除は相続欠格と異なり「被相続人のためだけにある制度」ですから、被相続人が(または遺言による取消しの指示に従った遺言執行者が)家庭裁判所に請求をすることで、いつでも一度認められた推定相続人の廃除を取り消すことができます(民法894条)。


2.被相続人以外の者が推定相続人の廃除をすることはできるか

 1.でもご説明した通り、推定相続人の廃除は「被相続人のためだけにある制度」ですから、例えば他の相続人など、被相続人以外の者が家庭裁判所への申立てをすることはできません。

 手続を行えるのは、被相続人自身か、被相続人の意思(遺言)に従った遺言執行者のみということになります。

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