前回のコラム「登記とは（２）」で挙げられた手段の他には、例えば民間の調査会社に依頼することが考えられます。調査会社に依頼をして、その物件の真の所有者が誰なのかを調べてもらおうというわけです。

　しかし、この場合であっても様々な問題が懸念されます。

　まず、民間の調査会社ですから、依頼には当然、相応の調査費用がかかってくるでしょう。

　次に、時間がかかります。物件が先に他の人に売却などされることがない内に、早く所有者と交渉したいと考えているあなたにとっては、大きな障害となるでしょう。

　最後に、調査結果の信用性が確かではないということです。もしも間違った調査結果が出されれば、前回のコラム「登記とは（２）」の場合と同様、住宅購入代金という大金を失う危険を伴います。

　さて、ここまで読んで頂いたあなたはきっとこう思われたに違いありません。「大きな費用をかけずに、現在の真の所有者が誰なのかがすぐにわかればいいのにな」と。

　それを叶えるための仕組みが、「登記」なのです。