前回のコラムでは、登記手続案内は「登記申請の手続について」の内容のみに限られ、個別具体的な事案に沿った案内はされないということをご説明しました。

　これについてもう少し詳しく見ていきましょう。

　そもそも法務局とは、実際に登記申請がされたその内容を審査し、登記の可否を判断する機関です。したがって、基本的に「登記申請の事前審査」は行いません。

　そして、一般的な登記申請手続の案内ならともかくとして、申請予定の個別具体的な申請書の記載方法の案内や、添付書類の中身のチェック、あるいは法的判断にまで法務局が踏み込むと、それはもう実質的に「登記申請の事前審査」と変わりがありません。ですから、個別具体的な事案に沿った案内をすることはできないのです。