2021.12.10 | コラム
相続欠格と推定相続人の廃除という、いずれも相続人の相続権を喪失させる制度について解説しましたので、ここで両者の特徴を比較しておきましょう。
1.制度目的
相続欠格は、「相続秩序の侵害を許さないという公益性による制度」です。
つまり、相続権を失うかどうかは被相続人の意思に左右されるものではなく、一度相続欠格となった者を被相続人が宥恕(赦すこと)することもできません。
推定相続人の廃除は、「被相続人の意思の尊重による制度」であり、被相続人のための制度であるとも言えます。
つまり、推定相続人廃除の要否は被相続人のみの意思によって決定され(ただし、廃除の審判については家庭裁判所の判断によります。詳細は過去のコラム「推定相続人の廃除とは(3)」参照)、他の相続人等の意思によってすることはできません。
2.対象者
相続欠格の対象者は、相続人になり得る者です。相続欠格事由に該当する行為をした者は、相続人となる資格を失います(民法891条、相続欠格事由については過去のコラム「相続欠格とは(1)・(2)」参照)。
推定相続人の廃除の対象者は、遺留分を有する推定相続人です(民法892条、詳細については過去のコラム「推定相続人の廃除とは。(2)」参照)。被相続人または遺言執行者による推定相続人廃除の手続によって、廃除された推定相続人は相続権を失います。
1.制度目的
相続欠格は、「相続秩序の侵害を許さないという公益性による制度」です。
つまり、相続権を失うかどうかは被相続人の意思に左右されるものではなく、一度相続欠格となった者を被相続人が宥恕(赦すこと)することもできません。
推定相続人の廃除は、「被相続人の意思の尊重による制度」であり、被相続人のための制度であるとも言えます。
つまり、推定相続人廃除の要否は被相続人のみの意思によって決定され(ただし、廃除の審判については家庭裁判所の判断によります。詳細は過去のコラム「推定相続人の廃除とは(3)」参照)、他の相続人等の意思によってすることはできません。
2.対象者
相続欠格の対象者は、相続人になり得る者です。相続欠格事由に該当する行為をした者は、相続人となる資格を失います(民法891条、相続欠格事由については過去のコラム「相続欠格とは(1)・(2)」参照)。
推定相続人の廃除の対象者は、遺留分を有する推定相続人です(民法892条、詳細については過去のコラム「推定相続人の廃除とは。(2)」参照)。被相続人または遺言執行者による推定相続人廃除の手続によって、廃除された推定相続人は相続権を失います。