一般財団法人をご説明する前に、まずは一般的な株式会社について簡単に解説します。

　会社が事業活動を行っていく場合、はじめに必要となってくるのが「経営者」と「活動資金」になります。

　まず、町の商店街にあるような小規模なお店を考えてみましょう。

　このようなお店は、個人事業主として経営されている場合もありますが、有限会社や株式会社などの法人格を持っていることも多いです。

　例えば、太郎さんが1人でお店を経営する場合、経営者は太郎さんで、活動資金も主に太郎さんが負担することになるでしょう。

　太郎さんが個人事業主として経営するのであれば、太郎さん自身の名前で店舗を借りたり、商売に必要となる物品を購入していくことになりますが、会社の場合には、会社の名前でこれらをすることになります。

　名前が変わるとは、単に名義のみが変わるのではなく、「権利義務の主体となる人格」が異なることを意味します。

　会社は設立すると同時に、法律によって「人格」を与えられることになります（会社法3条）。つまり、商売に必要になる物品を購入すれば、その所有権は太郎さんではなく会社が有し、費用の支払い義務は太郎さんではなく会社にあるということです。