遺言事項⑨ 一般財団法人の設立・財産の拠出とは(2)

2021.11.18 | コラム

 さて、設立するのが株式会社であれば、「株式」を発行しなければなりません。株式とは、堅苦しい言葉で表現すると「均等に細分化された割合的単位の形をとる株式会社の社員たる地位」などと言いますが、「株式会社の所有権を均等に切り分けたもの」くらいにイメージして頂ければと思います。


 太郎さんが1人で経営・出資するのであれば、株式会社の取締役は太郎さん、そして会社の所有権たる株式もすべて太郎さんが持つことになります。

 「取締役」とは、株式会社における経営者のことです。

 この時点ではまだ、会社の経営者と所有者は太郎さんで一致しています。


 それでは、株式会社の経営をはじめるに当たって、太郎さん1人の資金では足りない場合にはどうなるでしょう。商売を諦めるしかないのでしょうか。

 このような場合には、株式会社の所有権を均等に切り分けた株式を、他の人に買ってもらう、出資してもらうことが考えられます。ここが個人事業主との大きな違いです。

 他の人が株式を買ってくれることで、太郎さん1人で経営を考えていた時よりも、多くの資金が集まることになります。

 例えば、太郎さんの親族が株式を買ってくれた場合、株式会社の経営者である取締役は太郎さん1人のままですが、株式会社の所有権たる株式は太郎さんの他に、太郎さんの親族が持つことになります。

 この時点で、太郎さんの親族に関しては、経営者と出資者が分かれることになります。

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