次に、小規模なお店を離れて、誰しもが名前を知っているような大企業の場合であればどうなるのでしょうか。

　このような場合には、株主は膨大な人数に上ります。そしてそのほとんどは、経営とは無関係な出資者になります。

　さらに、経営者である取締役も多人数になってくるでしょう。１人だけで大企業の経営を担うことはできません。

　しかし、これだけ大きな企業の取締役ともなってくると、その権限と責任は非常に大きなもので、広範に及びます。適正な事業経営を行わなければ、株主たちに甚大な被害を与えることになるでしょう。

　そこで登場するのが「監査役」です。監査役とは、取締役の職務の執行を監査する者、つまり取締役達のお目付け役というわけです。

　出資者が「株主」、経営者が「取締役」、その取締役の監査をする者が「監査役」といった役割になります。

　このようにして、株式会社はその経営と活動資金が円滑に機能するよう、仕組みが整えられているのです。