遺言事項⑪ 信託の設定とは(1)

2021.11.20 | コラム

 信託とは、「信頼して託す」という字を書きますが、自分の財産を受託者という者に託して、定めた目的に従って運用・管理してもらう制度のことを言います。

 信託する財産は、金銭に限られず、不動産や株式等の有価証券など、金銭的価値のあるものであれば、種類を問わずに信託財産とすることができます。


 さて、信託の理解のためには、「委託者」・「受託者」・「受益者」という三者の理解が重要となってきます。それぞれ解説していきましょう。


1.委託者

 財産を信託する者のことを言います(信託法24項)。

 委託者は信託する財産を、「誰のために」、「どのような目的」で運用・管理してもらうのかを決めることができます。

 なお、委託者は個人・法人を問いません。


2.受託者

 委託者から信託された財産を運用・管理する者のことを言います(信託法25項)。

 受託者は、委託者の決めた目的に従って、信託された財産を運用・管理し、そこから生じた利益を後述の受益者へと交付します。

 受託者は、例えば信託銀行や信託会社が挙げられます。


3.受益者

 受託者の財産の運用・管理によって生じた利益を享受する者のことを言います(信託法26項)。

 受益者は委託者によって決められます。当然ながら、委託者は自らを受益者とすることもできます。

 なお、受益者は個人・法人を問いません。

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