遺言事項(法定遺言事項)とは

2021.10.23 | コラム

 遺言事項とは、遺言に記載した項目の中で、法的効力を生ずるもののことを言います。

 典型的な遺言事項は「相続財産の処分」に関するものになりますが、それ以外にも「認知」や「遺言執行者」、「祭祀の承継者」に関するものなどが挙げられます。具体的には以下のとおりです。


 ・ 祭祀主催者の指定(民法897条1項ただし書)

 ・ 相続分の指定・指定の委託(民法902条)

 ・ 特別受益の持戻しの免除(民法903条3項)

 ・ 遺産分割方法の指定・指定の委託(民法908条)

 ・ 5年を超えない期間での遺産分割の禁止(民法908条)

 ・ 相続人相互間の担保責任の指定(民法914条)

 ・ 遺贈(民法964条)

 ・ 遺留分侵害額負担割合の指定(民法1047条1項2号)

 ・ 一般財団法人の設立・財産の拠出(一般法人法152条2項等)

 ・ 生命保険受取人の変更(保険法44条1項)

 ・ 信託の設定(信託法3条2号)

 ・ 「相続させる」旨の遺言(民法1014条2項)


 遺言は、被相続人(亡くなった人)の意思のみで法的拘束力を生ずることになります。そのため、遺言事項として認められないことも多いので注意が必要です。

 具体的な遺言事項の有効・無効の判断は、専門家に一度ご相談されることをお勧めします。

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