2022.06.10 | コラム
前回のコラム「対抗要件とは(5)」の内容について、誤解のないように何点か補足をしておきます。
まず、対抗要件とは、あくまでも「当事者以外の第三者」に対して、自己の権利を主張するために必要となる条件のことですので、当事者たる「売主」はこれに含まれません。
コラム「対抗要件とは(4)」でご説明した例を振り返ると、第1の買主・第2の買主と売買契約をした売主は、それぞれに譲渡をした残り分の「所有権の欠片」をいまだ所持しているように思えます。ですから、売主と第1の買主・第2の買主間の関係においても、同じ所有権の欠片を持つ者として対等の立場にあるのではないか、という懸念が考えられなくもないわけです。
しかし、結論から申し上げますと、売主と第1の買主・第2の買主間の関係では、取得した所有権を主張するために対抗要件(登記の具備)を満たす必要はありません。
そもそも売主は売買契約の当事者なのですから、「この不動産を売ります」と約束した者に対して、第1の買主または第2の買主が「私がこの不動産の所有者だ」という主張ができないなどということはあり得ないわけです。
まず、対抗要件とは、あくまでも「当事者以外の第三者」に対して、自己の権利を主張するために必要となる条件のことですので、当事者たる「売主」はこれに含まれません。
コラム「対抗要件とは(4)」でご説明した例を振り返ると、第1の買主・第2の買主と売買契約をした売主は、それぞれに譲渡をした残り分の「所有権の欠片」をいまだ所持しているように思えます。ですから、売主と第1の買主・第2の買主間の関係においても、同じ所有権の欠片を持つ者として対等の立場にあるのではないか、という懸念が考えられなくもないわけです。
しかし、結論から申し上げますと、売主と第1の買主・第2の買主間の関係では、取得した所有権を主張するために対抗要件(登記の具備)を満たす必要はありません。
そもそも売主は売買契約の当事者なのですから、「この不動産を売ります」と約束した者に対して、第1の買主または第2の買主が「私がこの不動産の所有者だ」という主張ができないなどということはあり得ないわけです。