なぜ抵当権者の登記識別情報を添付する必要があるのでしょうか。理屈としては、売買による所有権移転の登記申請において、売主の登記識別情報が必要な理由とまったく同じです。

　繰り返しになりますが、抵当権抹消登記は、抵当権が消滅したことを内容とする登記申請です。ということは、抵当権抹消登記によって不利益を受けるのは抵当権者ですね。ですから、不利益を受ける抵当権者自身が間違いなくその登記申請の登記義務者として関与しているということを示すために、登記識別情報を添付する必要があるというわけです。

　この登記識別情報通知についても解除証書等と同じく、司法書士が登記申請代理を担当する場合には、司法書士が金融機関等からを受け取り、お客さんご自身で登記申請をされる場合には、お客さんの方で金融機関等から受け取る必要があります。