抵当権抹消登記とは(9)

2023.09.17 | コラム

 前回のコラムでは、お客さんの返済が滞った場合に、金融機関等は抵当権を実行して、抵当権の目的であるマイホームを競売にかけてその競売代金から優先的に貸し付けたお金を回収することができるのだとご説明しました。

 これが、抵当権の力です。

 ですから、お客さんが普通にマイホームを使用し、普通にローンを返済し続けている間は、抵当権はまったく顔を出しません。そして、ローンが無事に完済されれば、抵当権はその存在感を一切示すことなく消滅していきます。なぜなら、抵当権はあくまでも貸し付けたお金を回収するための手段、担保にすぎないからです。

 しかし、既にご説明したとおり、ひとたびローンの返済が滞ったりするようなことがあれば、その時には抵当権の出番です。お客さんのマイホームは取り上げられ、競売にかけられることになります。


 これが、抵当権によって金融機関等が手に入れる「物」とは物理的な意味での「物」ではなく、「価値」としての「物」なのだということの意味です(過去のコラム「抵当権抹消登記とは(6)」参照)。

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