遺言事項⑨ 一般財団法人の設立・財産の拠出とは(6)

2021.11.18 | コラム

 一般財団法人の設立に当たっては、まず「設立者」によって、最低300万円以上の財産が拠出されなければなりません(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「一般法人法」と呼ぶ)1532項)。

 財産の集まりに法人格を付与するのが一般財団法人ですので、資本金0円からでも設立可能な株式会社よりもハードルが高いことになります。


 次に、一般財団法人の機関(業務を行う者)を考えなければいけません。

 いくら一般財団法人の主体が財産の集まりであるといっても、人がいなければ事業活動は行えないからです。

 まず、株式会社における取締役に当たる「理事」が3名以上(取締役についてはコラム「遺言(遺言書)の種類⑨ 一般財団法人の設立・財産の拠出とは(2)」参照)。

 そして、株式会社における監査役に当たる「監事」が1名以上(監査役についてはコラム「遺言(遺言書)の種類⑨ 一般財団法人の設立・財産の拠出とは(4)」参照)。

 さらに、出資をするわけではありませんが、株式会社における株主に当たる「評議員」が3名以上(株主についてはコラム「遺言(遺言書)の種類⑨ 一般財団法人の設立・財産の拠出とは(3)」参照)。

 以上が、一般財団法人を設立するに当たって最低限必要になる機関となります(一般法人法15316号)。


 さて、一般財団法人の設立は、遺言によってすることもできます。この場合、遺言者は設立者として、「定款」という、一般財団法人の最重要規則の必要事項を遺言事項として記載しなければなりません(一般法人法1522項前段)。

 定款の記載事項には、一般財団法人の目的や、名称、設立に際して拠出する財産とその額、理事・監事・評議員の選任に関する事項などがあります(一般法人法1531項)。

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