2021.11.11 | コラム
6.放棄の可否
遺贈の場合には、「遺贈と死因贈与の比較(1)」のコラムで解説したように、遺言は、遺言者の意思表示に基づく単独行為によりますので、受遺者はその内容を知らないことが通常です。ですから、特定遺贈・包括遺贈のいずれにおいても放棄することができます。
ただし、その方法に関して「特定遺贈」と「包括遺贈」とでは違いがありますので、それぞれ解説しておきましょう(「特定遺贈」・「包括遺贈」についての詳細は過去のコラム「遺言事項⑦ 遺贈とは(2)」参照)。
特定遺贈の場合
特定遺贈の場合には、受遺者は「いつでも」放棄することができます(民法986条1項)。
例えば負担付遺贈であった場合に、その負担の内容が不服であれば放棄することが考えられます。
ただし、いつまでも受遺者の放棄の可否が未定のままであれば、法律関係が不安定になりますので、受遺者以外の相続人は、受遺者に対して、相当の期間を定めて遺贈の承諾・放棄に関する催告をすることができます。期間内に受遺者からの確答がなかった場合には、遺贈を承諾したものとみなします(民法987条)。
包括遺贈の場合
包括遺贈の場合には、受遺者について民法990条は「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。」と定めています。
つまり、包括遺贈の放棄に関しては、「相続放棄」の手続をすることになります(詳細は過去のコラム「相続放棄とは」参照)ので、「自己に包括遺贈があったことを知った時から3か月以内」に(民法915条参照)、家庭裁判所に対して放棄の申立てをしなければなりません。
対する死因贈与の場合には、放棄はできません。
死因贈与は、生前における贈与者と受贈者との契約によって成立しますから、受贈者はその内容について認識し、贈与を受けることに合意しています。ですから、一度成立した契約を一方的に放棄することは認められません。
遺贈の場合には、「遺贈と死因贈与の比較(1)」のコラムで解説したように、遺言は、遺言者の意思表示に基づく単独行為によりますので、受遺者はその内容を知らないことが通常です。ですから、特定遺贈・包括遺贈のいずれにおいても放棄することができます。
ただし、その方法に関して「特定遺贈」と「包括遺贈」とでは違いがありますので、それぞれ解説しておきましょう(「特定遺贈」・「包括遺贈」についての詳細は過去のコラム「遺言事項⑦ 遺贈とは(2)」参照)。
特定遺贈の場合
特定遺贈の場合には、受遺者は「いつでも」放棄することができます(民法986条1項)。
例えば負担付遺贈であった場合に、その負担の内容が不服であれば放棄することが考えられます。
ただし、いつまでも受遺者の放棄の可否が未定のままであれば、法律関係が不安定になりますので、受遺者以外の相続人は、受遺者に対して、相当の期間を定めて遺贈の承諾・放棄に関する催告をすることができます。期間内に受遺者からの確答がなかった場合には、遺贈を承諾したものとみなします(民法987条)。
包括遺贈の場合
包括遺贈の場合には、受遺者について民法990条は「包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。」と定めています。
つまり、包括遺贈の放棄に関しては、「相続放棄」の手続をすることになります(詳細は過去のコラム「相続放棄とは」参照)ので、「自己に包括遺贈があったことを知った時から3か月以内」に(民法915条参照)、家庭裁判所に対して放棄の申立てをしなければなりません。
対する死因贈与の場合には、放棄はできません。
死因贈与は、生前における贈与者と受贈者との契約によって成立しますから、受贈者はその内容について認識し、贈与を受けることに合意しています。ですから、一度成立した契約を一方的に放棄することは認められません。