遺産分割の方法④ 共有分割とは

2021.10.12 | コラム

 「遺産分割の方法① 現物分割とは」のコラムで、遺産分割における分割方法として4つの方法が存在すると解説しました。今回はその4つ目の方法になります。


 共有分割とは、不動産や有価証券といった相続財産を、相続人間で共有するという分割方法です。

 例えば相続財産の中に土地が含まれていた場合に、これを相続人中の1人が取得するのではなく、相続人全員が法定相続分に従った持分で共有することが考えられます。

 一見、公平な分割方法のようにも思えますが、専門家としてはあまりお勧めできる方法ではありません。


 上記の例ですと、一旦相続人全員で土地を相続した後に売却の話がでた場合、共有者全員の同意が必要になります。これでは遺産分割協議の二度手間のような作業になってしまいます。

 さらに、売買契約やその登記手続においても、共有者全員の関与が不可欠であるため、共有者が多数の不動産の売却に関しては、仲介を担当する不動産業者や登記を担当する司法書士が大変です。共有者全員の意思確認や書類の取り付けが必要なためです。

 また、共有している状態で二次相続が発生するリスクもあるため、できれば、共有分割は避けるべき方法と言えるでしょう。

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