遺産分割の方法③ 換価分割とは

2021.10.11 | コラム

 「遺産分割の方法① 現物分割とは」のコラムで、遺産分割における分割方法として4つの方法が存在すると解説しました。今回はその3つ目の方法になります。


 換価分割とは、相続財産を売却して得た金銭を、相続人間で分配するという分割方法です。

 例えば相続財産が土地1筆のみしかなく、さらに相続人に代償分割するだけの資力もないといった場合には、その土地を売却して得た代金を相続人間で分け合うことで解決することができます。(「代償分割」の詳細は、コラム「遺産分割の方法② 代償分割とは」を参照)

 現物分割のような不公平がなく、代償分割のように相続人の資力も要しない換価分割ですが、いくつかのデメリットもあります。解説していきましょう。


1.相続人に反対者がいれば採用できない

 前述の通り、換価分割は相続財産を売却して金銭に換えることでする分割方法です。相続人の中には、「先祖から受け継がれてきた財産を売り払うなど言語道断だ」という主張をする方がいたとしても、おかしな話ではありません。この場合、換価分割の方法を採用することは難しく、相続人間の争いになる危険が考えられます。


2.売却相手が見つからない

 相続財産を売却して金銭に換えるには、当然ながら相続財産の売却先を見つける必要があります。財産の種類や条件によっては、なかなか見つからずに時間がかかってしまうといった事態が考えられます。


3.処分費用や譲渡取得税がかかる可能性がある

 例えば不動産を換価分割する場合には、不動産業者に対する仲介手数料、さらに譲渡取得税が課税されると、売却で得た代金が目減りすることが考えられます。


 このように、換価分割はメリットもデメリットも大きい分割方法になりますので、採用する際には相続人間の話し合いと慎重な判断が求められることになるでしょう。

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