遺言とは、人が自身の死後にその効力を発生させる目的で、生前に残す意思表示のことです。

　「遺言」は、一般的には「ゆいごん」と読まれますが、民法上の専門用語としては「いごん」と読みます。

　遺言を残す理由は以下のとおりです。

１．自身の財産の帰属先を自身で決める。

　例えば、自分１人で生活を送ることが難しくなったため、長年支えてくれた友人がいたとして、その友人に財産を残したいといった意思のことです。

２．相続人間の無用な紛争を防止する。

　遺言が残されなかった場合、その相続財産は、コラム「遺産分割とは」でも解説したとおり、相続人全員での話し合い、合意によって決定することになります。

　遺産分割によって相続人の間で争いが生じることもあるため、遺言を残しておくことによって、このような無用な争いを予防することができます。