所有権移転登記(相続)を放置することの問題点(4)

2022.08.31 | コラム

3.相続人の増加による複雑化

 相続による所有権移転登記手続を放置している間に、相続人が亡くなって新たな相続が開始した場合、手続が複雑化するおそれがあります。

 例えばAさんが亡くなり、その相続人がBさん・Cさん・Dさんの3人だったとします。しかしこの相続手続を放置していたために、今度はBさんが亡くなり、Bさんの相続人がEさん・Fさん・Gさんの3人になりました。すると、この時点でAさんの遺産分割協議を行うとするならば、Cさん・Dさん・Eさん・Fさん・Gさんの全員による合意が必要になってきます。これがさらにCさんやDさんの相続も開始すれば、どんどんと手続が複雑化していくことがご理解いただけるでしょう。


 そして一般的に、このように相続が枝分かれして相続人の人数が増えれば増えるほど各相続人間の関係は希薄になっていきますから、遺産分割協議の合意をすることが困難となります。

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